「牛乳を飲むと便秘になる…」
「牛乳飲むのはいいの?」
そんな方に必見の記事です。
牛乳が便秘を解消するとの記事がありますが、必ずしもそうとは言い切れません。
今回は、牛乳が腸内環境を悪化させる可能性について解説します。
牛乳が便秘を解消すると言われる訳
牛乳には乳糖(ラクトース)が含まれています。
この乳糖には、ビフィズス菌を増やす可能性が示されています。(※1)
腸内環境を整えるためには、善玉菌であるビフィズス菌の割合を増やしていくことが大切です。
乳糖がビフィズス菌を増やすことにより、ビフィズス菌の割合が増えて、腸内環境が良くなると考えられます。
なお、腸内細菌による乳糖の分解量には、個人差がありますが6時間の内25gぐらいと推測されています。(※2)
乳糖不耐性の人が、牛乳でお腹を壊してしまうのは、この耐容量が少なかったり、オーバーして摂っている場合があります。
ただそれ以上に、後述する超高音殺菌&ホモジナイズされた牛乳に原因がある可能性が高いです。
引用:※1 森永乳業株式会社 株式会社DeNAライフサイエンス 日本人にビフィズス菌が多い理由に 乳糖分解酵素の遺伝子型が関与している可能性を確認
※2 県立長崎シーボルト大学大学院教授 奥恒行 腸内細菌による乳糖の発酵分解の差が乳糖不耐症を招く
牛乳と母乳の違い
牛乳に含まれるタンパク質の内、カゼインの割合が80%になります。
本来仔牛を育てるための牛乳ですが、仔牛は成熟して誕生するために、成長を促すIGF-1が多いカゼインが合います。
比較として、ヒトの母乳は未成熟の赤ちゃんを育てるために、ホエイの割合が高く、成長につれて徐々にカゼインの割合が少し高くなるようになっていきます。
そして、カゼインには以下の種類があり、牛乳と母乳では主な成分が異なります。
カゼインの種類 | 分類 |
α-カゼイン | α s1‐カゼイン |
α s2‐カゼイン | |
β‐カゼイン | A1 β‐カゼイン |
A2 β‐カゼイン | |
κ-カゼイン |
母乳はβ-カゼインとκ-カゼインが主ですが、牛乳はα-カゼインが主になります。
その中で、α s1‐カゼイン・A1 β‐カゼインの2種類が問題になります。
母乳に近い内訳の方が、ヒトに合っていて消化がしやすいです。
こういったカゼインの種類の違いが、実は牛乳が腸内環境を悪化させる原因であるということに繋がります。
牛乳を飲むと便秘になる可能性有り
先述したようにカゼインには種類の違いがあり、問題となる2種類があります。
まず、α s1‐カゼインですが、これはホエイの6倍のIL-8という炎症性サイトカインの分泌を誘発します。
これによって炎症が起こり、アレルギーや炎症を誘発し、腸内環境の悪化を起こしやすくなります。
そして、A1 β‐カゼインは、消化管の炎症増加や消化の不快感も起こります。
A1 β‐カゼインは、動物が家畜になって出てきたタイプの変異種なタンパク質で、対してインドの牛やヤギなどはA2β‐カゼインは野生型のタンパク質のため、消化がしやすいです。
製造方法にも難あり
今市場に流通している牛乳の多くが超高温殺菌にて製造された牛乳です。
超高温殺菌とは、120~135℃で1~3秒間殺菌をする方法です。
常温での保存がきくようになり、低温殺菌よりも手間がかからないため大量生産が可能になります。
高温によって加熱されることにより、タンパク質は熱変性を起こします。
また牛乳の生臭さはこのタンパク質が加熱によって焦げてしまったニオイになり、これは風味ではありません。
さらに製品に脂肪分が浮いてしまわないように、脂肪球を壊して均一にするホモジナイズという処理を行っています。
超高温殺菌&ホモジナイズされるとタンパク質が熱変性をしてしまい、通過速度が速くなり、腸内での分解も速まってしまいアレルギー反応やお腹を下してしまう原因になります。
超高音殺菌&ホモジナイズされた牛乳を飲むことにより、腸が異常に刺激を受け、腸内環境の悪化し、敷いては便秘にも繋がる原因となります。
飲むならノンホモ牛乳を
牛乳の製造方法では、低温で加熱殺菌されたパスチャライズ牛乳というものあります。
基本的にパスチャライズ牛乳は、ホモジナイズもされていないノンホモ牛乳であることが多く、本来の生乳にかなり近い牛乳を安全に飲むことが出来ます。
ノンホモ牛乳であれば、熱変性をしていないタンパク質のため、ゆっくりと吸収されアレルギー反応や下痢をしずらくなります。
牛乳を飲むのであれば、パスチャライズ牛乳・ノンホモ牛乳を選べると、本来の代謝の通りにカラダに栄養を吸収することが出来ます。
まとめ
まとめ
- 市場に流通している牛乳の多くが超高音殺菌&ホモジナイズされた牛乳
- 牛乳は腸に優しいパスチャライズ牛乳・ノンホモ牛乳を選ぶ
- カゼインの種類によって合わない人もいるため、その人は飲むのを避ける
今回は、牛乳が腸内環境を悪化させる可能性について解説しました。
体質に個人差があるため、牛乳が一概にダメとは言えませんが、超高音殺菌&ホモジナイズされた牛乳については控えることが出来ると良いです。
牛乳を飲んで調子が悪くなる人はパスチャライズ牛乳・ノンホモ牛乳を試してみて、それでもダメであれば積極的に摂るのは控えましょう。