「えごま油ってなに?」
「健康に良い脂質は?」
そんな方に必見の記事です。
えごま油とは、植物の油で良質な脂質であるオメガ3が豊富です。
今回は、えごま油の健康・ダイエット効果について解説します。
えごま油とは?
えごま油とは、えごまの種子から搾った油で、オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含んでいます。
荏胡麻(えごま)とは、ごまとつくものの、シソの仲間です。
えごま油と同じシソ科シソ属でシソ油がありますが、厳密にはえごま油とは異なるものの脂肪酸組成は同じです。
α-リノレン酸とは
α-リノレン酸は、植物油に含まれている不飽和脂肪酸で、脂質の中ではオメガ3系脂肪酸になります。
オメガ3は、カラダに欠かせない必須脂肪酸で、体内で合成することが出来ない栄養素です。
α‐リノレン酸は、体内でEPA・DHAに変換され、抗炎症作用を働いたり、脳の活性化をしたりするなど重要な働きがあります。
α-リノレン酸のEPAへの変換率は10%前後と言われています。
だからといって、効率重視でEPA・DHAだけ摂ればいいのかといえばそうではなく、EPA・DHAを摂りながらもα-リノレン酸も積極的に摂ることが大切です。
α-リノレン酸の効果
α-リノレン酸の効果
- 中性脂肪およびコレステロールの低下作用
- 抗炎症作用
- 抗がん作用
- うつ症状の改善
中性脂肪およびコレステロールの低下作用
α-リノレン酸から変換されるEPAには、中性脂肪やコレステロールの低下する作用があります。
中性脂肪は、糖質の次にエネルギーとして使われるカラダに必要なエネルギー源です。
しかし、余分なエネルギーとして使われなかった中性脂肪は、皮下脂肪に蓄えられやすくなります。
中性脂肪を適正値に保つことは、ダイエットにおいて大事なポイントの1つです。
抗炎症作用
現代人は、ストレスや有害物質に囲まれた生活環境の中で、カラダの活性酸素が除去できずに炎症体質になる可能性が非常に高いです。
慢性的な炎症は、生活習慣病や老化などにも関わる可能性が高いことがわかっています。
また慢性炎症は、筋力低下の原因の1つです。
えごま油がEPAに変換され、このEPAが抗炎症作用に有効とされています。
炎症を食い止めることが、健康やダイエットにおいても非常に重要です。
血圧低下効果
えごま油には、抗がん作用があります。
ガンのラット実験では、えごま油を与えたグループが結腸がん発症率が有意に低かったとのデータ(※1)や、別の実験では日本人40~79歳までの日本人を対象として、大腸がんのリスクを60%も低下とのデータ(※2)があります。
この点からも、えごま油の抗がん作用は担保されています。
引用
※1 Jpn J Cancer Res. 1991 Oct;82(10):1089-96.
※2 The Japan Collaborative Cohort Study. Cancer Med. 2023 Feb;12(4):4690-4700.
うつ症状の改善
えごま油には、うつ症状の改善が期待できます。
日本人30~78歳の12ヵ月のランダム化二十盲検では、えごま油摂取群では、SDSうつスコアと無感情スコアの両方が有意に改善しました。
グラフ(以下)を見ても、12ヵ月後のCうつスコア・D無感情スコアをみると優位に下がっていることがよく分かります。
引用:Foods 2020 Apr;9(4):530
えごま油を効かせる重要点
えごま油の効果を高めるには、日ごろからオメガ6の摂取量を控えることが大切です。
オメガ6の過剰摂取は、肥満・心臓病・うつ・アレルギーなどに関連すると言われています。
オメガ6もカラダにとっては、重要な栄養素ですが、オメガ3とのバランスが何より大事になります。
現代食のオメガ6/オメガ3の比率は、10:1~25:1と非常にオメガ6に偏ったバランスになっています。
オメガ6を減らし、オメガ3を増やすことで、比率を3:1までもっていくことが大切です。
オメガ6の減らし方
- 外食や加工食品の摂取を減らす
- 肉食中心に偏らないようにする
- 揚げ物を控える
- サラダ油・大豆油・コーン油を控える
えごま油とアマニ油の違い
えごま油とアマニ油の違いは原料です。
基本的には、両方とも純粋に油を抽出しているのでかなり似ていますが、少しだけえごま油の方がα-リノレン酸の割合が高いです。
まとめ
まとめ
- えごま油は植物油でオメガ3のα-リノレン酸が豊富
- 良質な脂質のα-リノレン酸は健康・ダイエットに有効
- 現代人はオメガ6過多はえごま油の効きを下げる
今回は、えごま油の健康・ダイエット効果について解説しました。
オメガ3は注意して摂らないと不足しやすい、カラダにとって大切な脂質です。
健康やダイエットのために、何事も偏りのないバランスの取れた食事や生活を心がけましょう。