「体重が落ちない…」
「ダイエットしてもリバウンドしてしまう」
そんな方に必見の記事です。
ダイエットでの停滞期やリバウンドにはカラダの仕組みであるホメオスタシスが関係します。
今回は、ホメオスタシスの仕組みについて解説します。
ホメオスタシスとは?
ヒトのカラダには、ホメオスタシス(恒常性)という機能があり、常にカラダを一定に維持しようとする能力があります。
カラダを構成する細胞や組織はとてもデリケートで、例えば体温が1度上がるだけでも細胞内での化学変化に影響が出始めます。
このときに温度が下げられなかったらカラダが壊れていってしまうので、温度を下げようと汗が出るなどして体温調整をします。
細胞から内臓まで、体内の色々な部分が連動して、寝ている間まで休みなく体内の環境を維持してくれるのがホメオスタシスです。
ダイエットとホメオスタシス
カロリー制限をして、消費カロリー>摂取カロリーの状態を作ると、体脂肪を使ってカラダを動かそうとしてくれます。
初めはそのようにカラダが動いてくれるのですが、カラダが常にカロリーが足りないことを感じると、このままでは命にかかわると認識して、足りないカロリーでも生活できるように調整してしまいます。
具体的には、代謝を下げてしまうため、頭の働きが鈍くなったり、何となく元気や性欲が無くなったりする状態になってしまいます。
そうなると足りないカロリーでも生活が出来てしまうので、体脂肪は燃焼されることがなく、体重が落ちない停滞期に陥ってしまいます。
代謝を下げたりやホルモン分泌などの調整したりして、一定を保とうとするのがホメオスタシスの働きです。
ダイエットの成否を決めるレプチン
ダイエットを成功させるか失敗させるか、大きく関わるホルモンにレプチンというホルモンがあります。
ダイエットを進めていくとレプチンの分泌量が少なくなってしまいます。
脂肪細胞から分泌されるレプチンは、脳に作用して強力に食欲を抑制してくれるとともに、交感神経を刺激して中性脂肪の分解を促進してくれます。
このレプチンによって、体内の体脂肪は一定の量を保つと考えれらています。
食べる量が増えて体脂肪が増えると脂肪組織で作られるレプチンの量も増え、するとレプチンが多く作用するため食欲が抑制されて食べる量が減ったり、中性脂肪が分解されます。
その逆に、食べる量を減らして体脂肪が減ると、レプチンの作用が減り、食欲が増したり、脂肪の分解も抑制されたりします。
こうして体重が停滞・リバウンドしてしまう事態に陥ってしまいます。
太っている人はなぜ痩せないの?
体脂肪が多くなればレプチンの分泌量が増えて、体脂肪を減らそうとする働きがあると先述しました。
では、なぜ体脂肪の多い太っている人が痩せないのか。
それは肥満になるとレプチンが脳に効きにくくなるレプチン抵抗性という現象が生じてしまいます。
レプチンが発見された当初は、レプチンを痩せ薬として活用する方法も考えられて、肥満が無くなると期待されていました。
しかし、肥満になってしまうとたくさんの脂肪組織からレプチンが分泌されるのに、食欲が抑制されない状態に陥ってしまいます。
だから太っている人は痩せられなくなってしまいます。
引用:N Engl J Med. 1996 Feb 1;334(5):292-5
停滞打破にはハイカーボデイ
停滞期では、ホメオスタシスの働きによって代謝が下がり、体脂肪が落ちにくくなります。
停滞期を打破するには、カラダに栄養が十分いきわたっていると認識させることが重要です。
そのためには、炭水化物を大量に摂り、筋肉や肝臓にグリコーゲンを蓄えましょう。
概ね糖質の量を1日体重×6~10gを入れましょう。
そうすることでレプチンが再度分泌されるようになり、ダイエットが増進します。
なお、体脂肪率が15%~の方は、基本的にレプチンは分泌されているので、ハイカーボやチートデイは不要だと考えられています。
まとめ
まとめ
- 停滞やリバウンドはホメオスタシスの働き
- 停滞を打破するにはハイカーボ
- 体脂肪が多い人はハイカーボやチートは原則不要
今回は、ホメオスタシスの仕組みについて解説しました。
カラダを一定に保つことは非常に大切な働きですが、ダイエットが停滞・リバウンドしてしまうのは嫌ですよね。
ホメオスタシスの働きを理解することで、なんで体重が落ちないのかとストレスに感じてしまうことも減ります。
停滞打破にはハイカーボ、リバウンドは自然に起こることなのでレプチンを増やす習慣を心がけましょう。