「ダイエットしたいけど筋肉は落としたくない」
「筋肉を大きくしたい!」
そんな方に必見の記事です。
筋肉は外見となるアウトラインを作るのに必要不可欠です。
今回は、筋分解を防ぐために仕組みについて解説します。
目次
筋肉の重要性
筋肉は歩いたり、座ったりするだけでなく、姿勢の維持や呼吸・臓器を守るために必要です。
筋肉が減ってしまうことで、代謝が悪く痩せにくくなったり、腕や太ももがたるんだ状態になったりしてしまいます。
筋肉は外見となるアウトラインをつくってくれますので、トレーニングせずにダイエットすると瘦せ細った見た目になってしまいます。
また筋肉量はのピークは20代で、健康な方でも年齢を重ねるごとに筋肉量はドンドン低下していきます。
筋肉は何歳になっても成長してくれますので、トレーニングを始めるのは早ければ早いほど良いです。
カラダに不安を感じない、健康寿命を延ばせるようにトレーニングと食事を意識してみましょう。
筋分解が起こる仕組み
筋肉はタンパク質で出来ています。
カラダの中では、常に一定のタンパク質を保つようにしながら、合成しては分解してを繰り返しています。
不要なタンパク質が溜まってしまうと、細胞内に異常をきたし、疾患の原因になります。
タンパク質を分解する仕組み
- ユビキチン・プロテアソーム系
- オートファジー・リソソーム系
- カルパイン系
ユビキチン・プロテアソーム系
ユビキチンが不要なタンパク質に狙いを定めて、プロテアソームがそのタンパク質を分解するシステムです。
がんや免疫疾患、アルツハイマー病など、ユビキチン・プロテアソーム系の異常によって引き起こされている可能性が考えられています。
オートファジー・リソソーム系
オートファジーは、自食作用とも言います。
オートファジーは、タンパク質やミトコンドリアなどの細胞が不要・必要に応じて分解されて、再利用されます。
ユビキチン・プロテアソーム系が選択したタンパク質を分解するのに対し、細胞ごと取り込んだ空間を消化するため、バルク分解系と言われています。
飢餓や低酸素状態など、ストレスを感じたときに特に活性化されます。
カルパイン系
筋分解で考えられているメカニズムは、このカルパイン系です。
カルパインは、筋肉の最小単位である筋原線維のタンパク質(Z帯タイチン)を切断して、分離させます。
カルパインが切断したタンパク質を、ユビキチン・プロテアソーム系がさらに小さいペプチドに分解し、オートファジー・リソソーム系によってアミノ酸に分解されます。
ちなみに分解されたアミノ酸は、食事から得られたアミノ酸と一緒にアミノ酸プールを作り、再びタンパク質の合成に再利用されていきます。
筋分解を防ぐ方法
筋合成・分解は常にカラダの中で起こっており、分解の仕組みから具体的にどうすればよいかご紹介します。
筋分解を防ぐ方法
- 食事で動物性タンパク質を補給する
- 全身をトレーニングする
- サプリメントや特定の食材を摂る
食事で動物性タンパク質を補給する
食事からしっかりと栄養を摂ることで、飢餓状態に起こりやすいオートファジー・リソソーム系を抑えられます。
成人のカラダの約15%がタンパク質で出来ており、その内2%が毎日分解されて、アミノ酸となり、アミノ酸プールへ貯められます。
しかし。アミノ酸はエネルギーとして利用されたり、ホルモンの生成に使われたり、排せつされることもあるためドンドン消費されていきます。
消費された分は、食事からタンパク質を補給しなければ、カラダにあるタンパク質である筋肉を分解してアミノ酸を作り出してしまいます。
じゃあどれぐらい摂ればいいのか
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」から男女ともにタンパク質を維持する必要量は”体重×0.66g”とされています。
ただ、研究自体が消化吸収率が良い良質の動物性タンパク質で行われているため、動物性タンパク質で摂ることが前提になります。
良質なタンパク質とは、必須アミノ酸を人にあった比率で含んでいるのが良質なタンパク質と言われます。
主にプロテインスコアと言われ、全卵や青魚、肉などが高い数値になりますが、長くなってしまうので詳細は別途記事で解説します。
トレーニングしている人はもっと必要
トレーニングをしっかり行っている方は、最低限だけの量では足りません。
タンパク質はご自身の体調を見ながら、摂れるだけ摂ったほうが最大限に活かせます。
ちなみに筆者は、増量期には体重×5倍のタンパク質を摂っていました。
中には、タンパク質を摂り過ぎて肌に発疹やお腹が痛くなる人もいるので、どれくらい摂れるかは人によります。
健康が気になる方は、体重×1.5gまたは100g/日以上ほどの量に抑えておくと、腎機能を低下させないと言われているので、そのぐらいに抑えましょう。
全身をトレーニングする
トレーニングを全身満遍なく行うことで、ユビキチン・プロテアソーム系を抑えていくことが出来ます。
筋肉の合成・分解で大切なトリガーとなるのがIGF-1(インスリン様成長因子)です。
IGF-1が受容体にキャッチされると筋合成のスイッチが進み、筋分解が抑えられます。
一方、受容体にやってこないとユビキチンリカーぜという酵素が作られてしまいます。
ユビキチンリガーゼは、筋分解を行うだけでなく、筋合成に必要な受容体をも分解するため、筋合成が止まってしまいます。
筋肉にIGF-1を効果的に分泌させる刺激は、瞬間的に大きな力を出すトレーニングよりも、筋繊維が少しの時間頑張って力を出し続けることが重要になります。
また、胸を鍛えても脚が太くならないというように、トレーニングで使った筋肉が成長していくため、全身を鍛えていくようにしましょう
サプリメントや特定の食材を摂る
食事を整えたり、トレーニングの頻度をあげたりすることが難しい方は、現状をキープするために以下のことを実践すると良いです。
コレやれば間違いない
- ロイシン or HMBを摂る
- 大豆タンパク質を摂る
ロイシン or HMBを摂る
食事がうまく摂れず低栄養状態になっているとき、身体では筋分解をして、必要なアミノ酸を取り出そうとします。
ロイシンは、カルパイン系とユビキチン・プロテアソーム系には優位に働かないものの、オートファジー・リソソーム系を阻害すると考えられています。※3
またHMBは、トレーニングで筋肉が炎症したことにより、発生してしまうタンパク質分解酵素の発現を抑えます。※4
そのため、食事の間隔が空いてしまうときは、ロイシンを摂り、トレーニング後は、HMBを摂るようにすることが良いです。
大豆タンパク質を摂る
大豆タンパク質の成分のひとつであるグリシニンは、ユビキチンリカーゼの阻害活性があるとされています。
グリシニンは、ユビキチンリガーゼにくっつくことで、筋合成に必要な受容体が分解されるのを防ぎます。
そのことで、筋合成が止まらず筋分解を防ぐことが出来ます。
腸内環境を良くする意味も込めて、納豆を積極的に食べると良いですね。
まとめ
まとめ
- 筋分解を防ぐには食事(特にタンパク質)
- 偏らずに全身トレーニングする
- ロイシン、HMB、大豆タンパク質を組み入れる
今回は、筋分解を防ぐために仕組みについて解説しました。
キレイになりたくてダイエット頑張っているのに理想とかけ離れたらもったいないですからね。
筋肉をつけながらキレイに痩せていきましょう。